「住宅ローンは借りているだけで得をする」
共働きでフルにローンを組んでいる私たちにとって、そんなボーナスタイムが静かに終わりを告げようとしています。
かつては住宅ローン金利(変動0.4% 程度)よりも、住宅ローン控除(1.0%)の方が大きく、夫婦でペアローンを組めばダブルで恩恵を受けられる「最強の資産形成術」でした。しかし、控除率は 0.7% に引き下げられ、金利上昇の足音も聞こえ始めています。
「借金は早く返してスッキリしたい」という感情と、「新NISAで運用した方が合理的」という理屈。47歳の会社員として、同じく働く妻とこれからの教育費・老後資金をどう守るべきか、わが家の思考プロセスを整理しました。
借り得時代の終焉と共働き世帯の落とし穴
以前のような「借りているだけでプラス」という状況は終わりつつありますが、それでも住宅ローンが「個人が利用できる最も低金利な資金調達手段」であることに変わりはありません。
共働き夫婦がまず再確認すべきなのが、今の「実質コスト」です。
📌逆ザヤとは
住宅ローン金利よりも、住宅ローン控除の還付率の方が高く、実質的な金利負担がマイナス(手元にお金が増える)になる現象。
今の「ペアローンそれぞれの金利」と「控除率 0.7%」を比較して、まだマイナス(=得をしている状態)なら、慌てて返す必要はないかもしれません。しかし、金利が上昇し実質コストがプラスに転じたとき、家計全体でどう動くかが問われます。
繰り上げ返済 vs 運用継続の損益分岐点
わが家でもよく話題に出るのが「ボーナスや臨時収入を繰り上げ返済に回すべきか?」という点です。私はこれを判断する際、繰り上げ返済を**「利回り確定(リスクゼロ)の投資」**と見なして、新NISAと比較するようにしています。

仕事で疲れて帰ると『いっそローンがなければもっと気楽に働けるのに……』なんて夫婦でこぼすこともあります。でも、一度返した現金は、子どもの入学金が必要になっても戻ってこないんですよね
比較テーブル:共働き夫婦の視点
| 項目 | 繰り上げ返済 | 運用継続(新NISA等) |
| 効果 | ローン利息の削減(確実) | 投資リターンの獲得(期待) |
| 確実性 | 100%確実な節約 | 不確実だが上昇余地あり |
| 流動性 | 資金が固定化され、引き出せない | 必要時に現金化できる |
| 団信 | 夫婦どちらかの保障額が減る | 万が一の保障は最大維持 |
もし住宅ローン金利が 0.6% で、新NISAなどで年利 4%(税引後)で運用できるなら、「返済せずに運用」する方が家計の総資産は増える可能性が高くなります。特に共働きなら、どちらかが運用、どちらかが返済といったバランスを取ることも可能です。
世帯年収が高いからこそ注意したい「所得制限」
共働き夫婦にとって、実は一番の「見えない壁」が住宅ローン控除の所得制限です。
⚠️ 注意点
合計所得金額が2,000万円を超える年は、住宅ローン控除を受けることができません。
ペアローンの場合、夫婦それぞれで判定が行われます。「夫は制限を超えたので控除ゼロだが、妻は受けられる」といったケースも出てきます。
控除が受けられない側は、最初から「0.7% の還元」というクッションがありません。その分のローン残高に対しては、純粋に「金利コスト」だけが発生するため、繰り上げ返済の優先度が相対的に高まります。
40代夫婦に最適な出口を見極めるフロー
共働きという「チーム」として、どう動くべきか。わが家の見極めフローです。
夫婦それぞれの「実質金利」と「残存期間」を出す
夫と妻、それぞれの借入金利から控除率 0.7%を引いてみます。また、「あと何年、控除が受けられるか(13年または10年の期限)」を確認します。期限が切れた瞬間、実質金利は一気に「素の金利」まで跳ね上がるからです。
所得制限のチェック(毎年更新)
昇給やボーナスで合計所得が 2,000万円を超えそうな年は要注意です。控除が受けられないなら、その年だけ繰り上げ返済を頑張るという選択肢も出てきます。
「もしも」の時の団信を再評価する
夫婦どちらかに万が一があった際、その分のローンがチャラになる団信は、共働き世帯にとって「収入減」を補う強力な生命保険です。金利コストを「保険料」として捉えたとき、妥当かどうかを話し合います。
「教育費の壁」とのバランス
40代にとって、これから数年〜十数年後にやってくる「大学費用」は最大の不確定要素です。控除期間が終わったからといって、手元の現金をすべて返済に回していいのか。教育資金との兼ね合いが最大の悩みどころです。
繰り上げ返済の不可逆性リスク(40代のリアル)
繰り上げ返済には「不可逆」という最大のリスクがあります。
⚠️ 警告:一度返すと、戻ってこない
銀行に渡した現金は、急に子どもの塾代や留学費用、あるいは親の介護費用が必要になっても戻ってきません。
私自身、47歳で子どもたちの教育費がこれからピークを迎える時期です。たとえ住宅ローン控除の期限が切れたとしても、この「流動性(=いつでも動かせる現金)」は、金利の数パーセントよりもはるかに重みがあると感じています。
今回の気づき・学び
住宅ローンを単なる「借金」として嫌悪するのではなく、夫婦の「資産・負債・保障・期間」をセットで見る視点が大切だと再確認しました。
💡 負債活用能力(Debt Management)
資産を順調に築いている夫婦ほど、低金利の住宅ローンを「固定費」として割り切り、浮いた現金を投資に回して効率的に資産を増やしています。
「無借金」がゴールではなく、「控除期間中は運用、期間終了後や金利上昇時に初めて返済を検討」という、時間軸を持った戦略が重要ではないでしょうか。
まとめ
「逆ザヤ」が終わり、金利上昇の気配がある今だからこそ、夫婦で家計の「健康診断」をするチャンスです。
- 控除期間内(10年・13年): 手元資金での運用(新NISA等)を優先し、現金を確保しておく。
- 控除期間終了後: 「素の金利」と「運用利回り」を比較。教育資金に目処が立っていれば、繰り上げ返済の優先順位を上げる。
- 所得制限にかかる場合: 団信の保障価値と天秤にかけつつ、余剰資金で少しずつ繰り上げ返済を検討する。
感情的な「借金返済」に走らず、夫婦お互いのキャリアや子どもの成長に合わせた「流動性」のバランスを、冷静に見極めていきましょう。
💡 この記事の執筆と参考情報について
この記事は、2026年1月現在、私自身の家計管理の思考プロセスを整理するために、AI(Gemini)を「思考のパートナー」として活用して作成しました。数字のシミュレーションや構成案の作成をAIと共同で行うことで、より多角的な視点を取り入れています。
ただし、税制や金利、投資に関する最終的な判断は、必ずご自身の状況に合わせて慎重に行ってください。正確な制度内容や最新の情報については、以下の公的機関のサイトを併せて確認することをお勧めします。
- 住宅借入金等特別控除(国税庁)制度の適用条件や所得制限の正確なルールはこちらで確認できます。
- 新NISA制度(金融庁)資産運用のシミュレーションや制度の詳細は公式HPが最も信頼できます。
- 住宅ローン減税制度の概要(国土交通省)入居時期や住宅の区分による控除期間(10年・13年)の違いについて詳しく解説されています。


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