共働きで必死にキャリアを積み上げ、ようやく目標の年収に手が届いた。そんな矢先に突きつけられるのが、皮肉にも「公的支援からの除外」という現実です。
世間では「パワーカップル」などと羨望の眼差しを向けられることもありますが、実態は税負担が増える一方で、受けられるはずの手当がバッサリと削られる。18歳と17歳の子どもを抱える親として、この「制度の壁」にどう向き合うべきか、改めてドライに検証してみました。
頑張って稼ぐほど損をするように見える「所得制限」のリアルと、その先にある現実的な生存戦略を整理します。
頑張るほど遠ざかる「公的支援」の境界線
まず直面するのが、子育てに関する手当の制限です。かつては一律で受けられた支援も、現在は「所得制限」というフィルターにより、一定以上の年収がある世帯は対象外になる仕組みが定着しています。
どの程度の年収で「支援の崖」が現れるのか、主な項目を整理しました。
📌 【検証:所得制限の主な基準(目安)】
- 児童手当(特例給付廃止): 年収約 1,200 万円以上の世帯は支給額が 0 円に
- 高校授業料(高等学校等就学支援金): 国の制度では年収約 910 万円が基準だが、2025年度からは多子世帯や一部自治体(東京・大阪など)で所得制限が撤廃・緩和される動きが加速
- 遺族年金(受給制限): 生計維持者の年収が 850 万円を超えると、原則として受給不可
- 自治体独自の医療費助成: 所得制限により、子どもの医療費が全額自己負担(有料)になるケースあり

「え、通知が来たと思ったら『対象外』? 毎日遅くまで働いて、納税額も増えているのに、真っ先に削られるのは自分たちの方なのか……」
支援の有無が生む「手取り」の埋めがたい差
支援を受けられる世帯と、制限を受ける世帯では、具体的にどれほどの差が出るのでしょうか。主な項目を比較表にまとめてみました。
| 支援項目 | 一般的な世帯 | 所得制限世帯(冷遇世帯) |
| 児童手当 | 月額 10,000 円〜 | 0 円(特例給付廃止) |
| 高校授業料 | 実質無償化の対象 | 自治体や世帯状況により全額負担の可能性が残る |
| 遺族年金 | 万が一の際に受給可 | 年収 850 万超で対象外 |
| 自治体助成 | 医療費助成など対象 | 対象外になるケース多数 |
| 税負担 | 累進課税の標準域 | 高い所得税率が適用される |
実際に整理してみると、想像以上に「受け取れるはずの支援」が削られている事実に驚かされます。

「表にしてみると、なかなかの金額差……. 遺族年金までもが年収で制限されるとは。自分たちは万が一の備えすら、すべて『自前』で用意しなきゃいけないんだね」
「働き損」を回避し、自律するための戦略
不公平感に立ち止まっていても、通帳の残高は増えません。私たちが実際に現状を受け入れ、対策を立てるための「実用的な判断基準」を検討しました。
まず重要なのは、「公的制度は、自分たちのセーフティネットにはなり得ない」と割り切ることです。
所得制限の逆転現象を注視する
昇給して制限ラインをわずかに超えた結果、手当の消失分が昇給額を上回り、世帯全体の手残りが減ってしまう「働き損」の状態がないか確認します。
税制優遇制度(iDeCo・新NISA等)のフル活用
受け取れない手当を嘆くより、自分たちでコントロールできる「非課税枠」を最大化し、実質的な可処分所得を守る動きにシフトします。
⚠️ 【ここに注意】
年収が上がれば上がるほど、国からのバックアップは薄くなります。高所得世帯こそ、民間保険や資産運用による「自前のセーフティネット」構築が急務です。
新NISAやiDeCoについてはこちらの記事でも解説しています。
効率的に「正解」を導き出す手順
Step 1:家計の「真の可処分所得」を算出する
まずは額面ではなく、税金や消失した手当を差し引いた「本当の手取り額」を直視します。ここを曖昧にしないことが、現実的な対策の第一歩です。
Step 2:「自力で賄うべき聖域」を特定する
大学費用や万が一の備えなど、国の制度に左右されたくない支出を洗い出し、自前で準備する覚悟を決めます。他力本願にならない「家計の軸」を作るプロセスです。
Step 3:資産運用のエンジンを最大化する
所得制限で手当がもらえない分、iDeCoによる所得控除や新NISAの非課税メリットを徹底活用。国に頼らず、自分たちで自分たちを守る仕組みを完成させます。
まとめ
💡 【今回の検証ログ】
- 制度に依存しない「自前の教育資金・生活防衛費」の積み立てが不可欠。
- 節税効果のある制度(iDeCo等)を最大限活用し、少しでも所得を圧縮する。
- 「稼ぐ力」そのものを最大のセーフティネットと捉え、制度に振り回されない。
「高収入夫婦の冷遇」は、確かにもどかしい現実です。しかし、この壁にぶつかったということは、それだけ自分たちが社会に貢献し、自律して歩める力を持っている証拠でもあります。
制度の不備を嘆く時間は最小限にして、自分たちの力でより豊かな未来を作っていきましょう。一緒にやってみましょう。

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