40代、なんとなくの不調を「睡眠」という判断軸で整理してみる 

アイキャッチ画像 読書の記録

40代も後半に差し掛かると、かつてのような「一晩寝ればリセット」という感覚が遠のいていくのを感じます。20代の頃のように無茶ができるわけでもない。かといって、寝坊や遅刻といった致命的なミスを犯すわけでもない。仕事も家庭も、表面上はなんとか回せている。

けれど、ふとした瞬間に気づくんですよね。常にうっすらとした疲れが膜のように張り付いて、「万全ではない自分」がもうデフォルトになってるんじゃないかって。致命的なエラーはないけれど、処理速度の落ちた古いOSで無理やり最新のアプリを動かしているような、そんなもどかしさ。

「睡眠不足は良くない」なんて、耳にタコができるほど聞いてきました。でも、健康オタクになりたいわけでも、ストイックな習慣化を目指したいわけでもない。そんなとき、ふと手に取った千田琢哉さんの『自分を変える睡眠のルール』が、意外な角度から刺さりました。これは生活改善の本というより、自分をどう扱うかの「判断軸」をくれる一冊だったからです。

合う・合わないを超えて、エッセンスを拾う

著者の千田琢哉さんは、膨大な著作を持ち、非常に短く、時に突き放すような強い言葉を使う方です。正直に言えば、読み手によって好みがはっきり分かれるタイプだと思います。私も最初の数ページは「うーん、ちょっとキツいな」と感じました。

本書も、4つの章に分かれた40のルールが並んでいますが、すべてを愚直に守ろうとすると息が詰まるかもしれません。というか、私には無理です。ただ、その強い言葉の裏にある「本質」を自分なりに咀嚼してみると、今の自分に必要なピースが見つかる。

今回は、全40ルールの中から、40代の私たちが「これなら今夜から試せるかも」と感じたエッセンスを、各章から一つずつ絞って紹介します。そして実際に、私自身が試してみてどうだったかも正直に書いていきます。

第1章:寝るときくらい、王様でいよう

第1章で印象的だったのは、「寝るときは王様のように堂々と」という考え方です。

これは決して「高い寝具を買え」といった話ではありません。日中、私たちは会社員として、あるいは親として、何かしら役割を演じて、どこか縮こまって過ごしていることが多い。寝るときくらい、その縮こまった意識を解放してあげようという提案です。

私、恥ずかしながら普段から丸まって寝る癖があって。たぶん無意識に何かから身を守ってるんでしょうね。で、朝起きると肩が凝ってる。完全に悪循環です。

「自己肯定感を高める」なんていうと大げさですが、振る舞いが思考を引っ張るというのは一理あります。せせこましく丸まって寝るのではなく、物理的にスペースを広げてみる。

で、「大の字で寝る」を試してみようと思ったんですが。

これが意外と難しい。今、妻とダブルベッドで一緒に寝てるので、文字通りの大の字は物理的に無理なんですよね。妻に蹴られます。

それで今は、せめて「布団の中で手足を縮こめない」ことだけ意識してます。完全な大の字じゃなくても、腕を少し広げるとか、足を伸ばすとか。その程度でも、「ああ、俺って普段どれだけ縮こまってたんだろう」って気づかされました。

理想的なやり方はまだ模索中です。でも、完璧じゃなくても、意識するだけで何かが変わる。それだけでも、このルールを知った価値はあったと思ってます。

▶ 今夜のワンアクション

布団に入ったら、できる範囲で手足を伸ばしてみる。 

(完璧な大の字じゃなくてもいい)

第2章:睡眠を邪魔するのは、モノだけじゃない

第2章では、睡眠の質を左右するのは枕やマットレスといった「モノ」だけではない、という点が強調されます。

千田さんは、睡眠を妨げるものとして「モノ・情報・人間関係」を挙げています。特にハッとしたのが人間関係。寝る直前に見たSNSのモヤッとする投稿や、苦手な上司とのやり取りを思い出すこと自体が、すでに睡眠を侵食している。

これ、めちゃくちゃ身に覚えがあります。布団の中でTwitter(今はXか)をダラダラ見て、誰かの攻撃的なリプライを見てしまって、「なんでこんなこと言うんだろうな」ってモヤモヤしながら寝落ちする。で、翌朝「なんか疲れてるな」ってなる。完全に自業自得です。

「めんどくさい人とは関わるな」という極端な割り切りは現実的には難しいですが、せめて「寝る前だけはシャットアウトする」という境界線なら引けるはず。

で、実際に試してみました。

最初は「寝る1時間前からスマホを断つ」という完璧主義でやろうとしたんです。でも、3日で挫折しました。どうしても仕事の連絡とか、ニュースとか、気になることがあって。完全に断つのは無理だと悟りました。

それで今は、「寝る1時間前からSNSだけは見ない」というルールに変えています。これならなんとか続いてる。LINEやメールは見るけど、X(旧Twitter)やらInstagramやらは開かない。

そうしたら、確実に寝付きが良くなりました。以前はベッドに入ってから30分くらいダラダラしてたのが、今は10分もしないうちに眠くなる。二度寝の回数も週5回→週1回くらいに減りました。

完璧主義は続かない。6割主義くらいがちょうどいいんだと実感してます。

▶ 今夜のワンアクション

寝る1時間前から、SNSだけは見ないルールを試してみる。 

(スマホ全断ちは無理でもいい)

第3章:「最近寝てない」は努力でも武勇伝でもない

かつては「寝てない自慢」が一種のハードワークの証のように語られた時代もありました。しかし本書は、「睡眠を削らないと成立しない努力は、自分に向いていない」と静かに指摘します。

これ、耳が痛すぎて思わず本を閉じそうになりました。私、30代の頃は完全に「寝てないアピール」をしてたんですよ。「昨日3時間しか寝てないっす」みたいな。今思えば、それって「頑張ってる自分」を演出するための言い訳だったんですよね。寝ていないことを盾に、仕事の精度の低さを正当化していた。

睡眠を削ってまでしがみついているその物事は、本当に今の自分に必要なのか。「今、無理をしていないか?」という問いは、即効性のある解決策ではありませんが、長期的に「ちゃんと生きる」ためには避けて通れない検証作業なんだと思います。

で、「寝てないアピール」をやめてみました。

正直、周りからの評価が変わったかどうかは分かりません。聞いたわけじゃないし、そもそも誰も気にしてなかったかもしれない。でも、少なくとも自分の中での変化はありました。「寝てない」を言い訳にしなくなった。

言い訳を封印すると、不思議なもので自然と無理をしなくなるんです。「どうせ言わないなら、ちゃんと寝よう」って。それだけの話なんですけど、自分の中での納得感は確実に変わりました。

▶ 今夜のワンアクション

明日、誰かに「最近寝てない」と言うのをやめてみる。 

(他人じゃなく、自分との対話が変わる)

第4章:良い人生とは、目覚めのいい人生

本書の締めくくりに登場する、「目覚めのいい人生が、良い人生だ」という言葉。これがこの本の最大のメッセージであり、私たちが持つべき「判断軸」です。

私たちはつい、「得か損か」「やるべきか、やらざるべきか」で物事を判断しがちです。それを一度、「これをしたら、明日の目覚めは良くなるか?」に置き換えてみる。

例えば、深夜にもう一杯飲むか、もう15分スマホを見るか。その選択が明日の朝の自分を重くするなら、今日は置く。

この判断軸を持つようになって、私は酒をやめました。

正確には「やめた」というより、今ちょうど禁酒して1ヶ月が経ったところです。このまま完全に断つかはまだ未定ですが、少なくとも平日は飲むのをやめるつもりでいます。

理由は単純で、飲んだ翌朝の目覚めが最悪だから。どんなに少量でも、翌朝の頭の重さ、口の中の不快感、なんとなく続く倦怠感。それが嫌になった。「明日の目覚めのために今夜どうするか」という判断軸を持つと、自然と「今日は飲まなくていいか」となるんです。

で、実際に1ヶ月やってみて。目覚めはかなり良くなりました。朝起きた瞬間の「よし、今日も一日やるか」という感覚が戻ってきた。これが20代の頃の感覚なのか、それとも40代なりの「ちゃんとした状態」なのかはわかりませんが、少なくとも「うっすらとした膜」が剥がれた感じはあります。

もちろん、週末に友人と飲む機会があれば、また飲むかもしれません。でも、「飲まない」という選択肢を持つだけで、人生の自由度は確実に上がりました。

▶ 今夜のワンアクション

「明日の目覚めが悪くなる」とわかっている行動を、一つだけやめてみる。 

(私の場合は、平日の晩酌でした)

おわりに:完璧主義より6割主義

『自分を変える睡眠のルール』は、決して「15分昼寝しなさい」とか「◯度のお湯に浸かりなさい」といったハウツーを強要する本ではありません。むしろ、睡眠を鏡にして「今の自分をどう扱っているか」を浮き彫りにする本です。

40ものルールすべてに目を通す必要はないし、全部を完璧に実践する必要もありません。私も今のところ、「SNS断ち」と「平日禁酒」くらいしか続いていません。「大の字で寝る」だって、ダブルベッドという物理的制約があって理想通りにはいかない。

でも、その2つだけで明らかに生活が変わったし、「大の字」も完璧じゃなくても意識するだけで何かが違う。

今夜、布団に入る時。 

「睡眠を改善しよう」と意気込む代わりに、「SNSを見ない」か「もう一杯を我慢する」か、「手足を少しだけ伸ばす」か、どれか一つだけ試してみませんか。

完璧じゃなくていい。3日坊主でもいい。また明日トライすればいいだけです。

その小さな、不完全な一歩が、明日の朝のあなたを、今よりほんの少しだけ楽にしてくれるはずです。

少なくとも、私はそう信じて、今夜も6割主義で布団に入ります。

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