この春から娘が大学生になり、アルバイトを始めるということで「いくら稼ぐと税金がかかるのか」を一緒に調べてみました。 よく耳にする「〇〇万円の壁」と住民税は同じ仕組みなのでしょうか。親の扶養から外れてしまうのかどうかも、親としては気になるところです。
調べてみて分かった結論からお伝えします。 直近の税制改正(2026年度からの新制度)により、「住民税がかかるのは、おおよそ年収103万円〜110万円が一つの目安」に変わっています。 ※お住まいの自治体によって基準となる金額に差があります。
この目安について、なぜそうなるのか、具体的にいくら払うことになるのか。我が家の備忘録も兼ねて、最新の制度を元に整理していきます。
住民税がかかる年収ラインを整理しよう
住民税の金額について見ていく前に、大前提として知っておきたいことがあります。 それは、税金や社会保険の制度は「それぞれ別々に計算されている」ということです。
ここをごちゃ混ぜにしてしまうと、親子での話し合いも混乱しがちです。以下の3つは分けて考えましょう。
- 住民税(地方税):この記事で解説する内容。目安は103万円〜110万円。
- 所得税(国税):これまで「103万円の壁」と呼ばれていたもの。(※こちらも制度改正が進んでいます)
- 扶養控除(親の税金):子どもが一定額以上稼ぐと、親の税金負担が増える仕組み。
今回は「住民税」に絞って解説します。 所得税や扶養控除については、別の記事で詳しく解説していますので、そちらも合わせて確認してみてください。
[内部リンク予定:所得税の壁に関する記事へ]
大学生アルバイトの住民税はどう計算される?
住民税が非課税になる(0円になる)ボーダーラインは、アルバイトの給与収入のみの場合、以下の計算式で決まります。
- 給与所得控除(65万円) + 住民税の非課税枠の基準額(38万円〜45万円)
※以前は給与所得控除が55万円だったため「100万円の壁」と言われていましたが、2026年度(令和8年度)の住民税から給与所得控除が65万円に引き上げられました。
この右側の「住民税の非課税枠の基準額」が、お住まいの自治体(市区町村)によって異なります。
- 基準額が38万円の地域:65万 + 38万 = 103万円
- 基準額が41.5万円の地域:65万 + 41.5万 = 106.5万円
- 基準額が45万円の地域(大阪市や東京23区など):65万 + 45万 = 110万円
そのため、全国共通の厳密なボーダーラインを一律で出すことは難しく、「103万円〜110万円が課税の目安」と捉えておくのが現実的です。正確な金額を知りたい場合は、お住まいの市区町村のホームページで「個人住民税 非課税 限度額」などを確認してみてください。
年収別の住民税シミュレーション
年収の目安ごとに、住民税がどうなるのかをシンプルにシミュレーションしてみましょう。 (※ここでは、最も厳しい基準である「非課税ライン103万円」の自治体に住んでいると仮定します)
年収100万円の場合(月のアルバイト代の目安:約8.3万円)
- 103万円以下なので、どの自治体に住んでいても住民税はかかりません。
年収103万円の場合(月のアルバイト代の目安:約8.5万円)
- ギリギリ非課税ラインに収まるため、住民税はかかりません。
年収115万円の場合(月のアルバイト代の目安:約9.5万円)
このオーバーした部分などをもとに計算され、住民税がかかります。円を超えた段階で、所得税より先に住民税が発生する可能性がある、という点がポイントです。
非課税ライン(103万円〜110万円)をオーバーしています。
住民税はいくら払うのか
では、課税対象になった場合、実際にいくら払うのでしょうか。
住民税は、大きく分けて以下の2つの合計額で決まります。
- 均等割:所得の多少にかかわらず、定額でかかる税金(年間4,000円〜5,000円程度。自治体による)
- 所得割:前年の所得に応じてかかる税金(税率は一律で約10%)
もし年収110万円など、100万円台前半であれば、所得割の対象となる金額はそれほど大きくありません。
そのため、実際に請求される住民税の年額は、数千円から1万円台に収まるケースが多いです。
いきなり何万円も請求されるわけではないので、その点は安心してください。
住民税の支払いタイミングと方法
住民税の仕組みで、特に大学生が戸惑いやすいのが「支払うタイミング」と「支払う場所」です。
前年の所得に対して、翌年課税される
住民税は「後払い」のシステムです。 例えば、大学1年生の時(1月〜12月)に稼いだアルバイト代に対して計算された住民税は、大学2年生の6月頃に通知が来て、そこから支払うことになります。 「今年はあまりバイトに入っていないのに、急に税金の請求が来た」と焦らないよう、このタイムラグを知っておくことが大切です。
払い方は大きく2種類
- 特別徴収:アルバイト先が毎月の給料から天引きして、代わりに納付してくれる方法。
- 普通徴収:自宅に納付書が届き、自分でコンビニや銀行などで支払う方法。
アルバイト先によって対応が異なります。
どこから請求が来るのか(課税主体)
住民税は、「その年の1月1日時点に住民票がある市区町村」から課税されます。
実家から離れて下宿している場合、住民票を移しているか・いないかで、税金を納める自治体や、通知書が届く場所が変わります。
親の扶養や所得税との違い
親から子どもへアルバイトの働き方について話す際、どうしても「〇〇万円の壁を超えないようにしなさい」と先回りして口出ししてしまいそうになります。
ですが、「壁を超えると大変なことになる」と脅すのではなく、以下のように事実を整理して伝えてみてはいかがでしょうか。
- 「今の制度だと、住民税は年収103万〜110万円を超えたあたりから、数千円〜1万円台くらいかかってくるよ」
- 「稼いだ翌年の夏頃に請求が来るから、払い忘れに気をつけてね」
- 「あなたの税金(住民税・所得税)と、親の税金(扶養控除)は別の仕組みだから、トータルでどう働くか一緒に考えようか」
制度の仕組みを客観的に共有することで、学生本人も「いくらまで稼ぐか」「どう支払うか」を自分で考えやすくなります。
大学生アルバイトと住民税のポイントまとめ
大学生のアルバイトと住民税の関係について、重要なポイントを振り返ります。
- 住民税がかかる目安は、最新の制度で年収103万円〜110万円(自治体により差あり)。
- 所得税の「103万円の壁」とは別の制度であり、住民税の方が先に発生しやすい。
- 前年(1月〜12月)に稼いだ分に対して、翌年の6月頃から課税される。
- 課税するのは、その年の1月1日時点に住民票がある自治体。
アルバイトの収入が増えてくると、住民税以外にも気を配るべきポイントが出てきます。
以下の関連記事も参考に、無理のない働き方を設計してみてください。
- [内部リンク:下宿生の住民票は移すべき?(住所編)]
- [内部リンク予定:103万円の壁(所得税)について]
- [内部リンク予定:親の扶養控除への影響について]


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