【大学生の住民票】引っ越しで住所変更は必要?実家のままで問題ないか整理してみた

大学進学で一人暮らしを始める際、意外と迷うのが「住民票は移すのか、実家のままでいいのか」という問題です。

原則は移すものだと理解しつつも、学生の場合は実家のままで過ごしているケースも耳にするため、どちらが正解なのか判断に迷うことがあると思います。

今回は、制度の原則と実務上の影響を整理し、どう判断すればいいのかをまとめました。

原則は「生活の本拠地」に住民票を置く

住民基本台帳法という法律では、住民票は「生活の本拠地」に置くことが前提とされています。

大学周辺で日常生活を送り、1年以上継続してそこに住む予定であれば、原則として住民票を移すのが適切とされています。これが基本的なルールです。

住民票の所在地と連動する制度

住民票をどこに置くかは、日々の生活に関わるいくつかの制度と連動しています。移す・移さないを判断するにあたり、以下の影響を知っておく必要があります。

住民税

住民税は「その年の1月1日時点に住民票がある自治体」で課税されます。

学生であっても、アルバイト収入が一定額(一般的には年収100万円など、自治体により異なる場合があります)を超えると、住民票のある自治体に住民税を納めることになります。詳しくは別記事にまとめる予定です。

国民健康保険

親の会社の社会保険(健康保険)の扶養に入っている場合は影響しません。

しかし、国民健康保険に加入している場合や、親の扶養から外れる場合は、原則として住民票のある自治体で加入手続きを行うことになります。学生用の特例(マル学)などもありますが、手続きの管轄は住民票の所在地が基準です。

選挙権

選挙の投票は、住民票のある自治体で行います。

進学先の候補者に投票したい場合や、逆に地元の選挙に参加したい場合など、住民票の場所がそのまま投票できる場所になります。

自治体独自の給付金や支援制度

自治体が独自に行う給付金や学生向けの支援制度などは、その自治体に住民票があることが条件になるケースがほとんどです。

本人確認書類(マイナンバーカード・運転免許証)

住所が変更になれば、マイナンバーカードや運転免許証の住所変更手続きが必要です。これらは重要な本人確認書類となるため、現住所と一致させておく方が実務上スムーズです。

成人式(二十歳の集い)の案内

意外と抜けがちなのが、成人式の案内状です。

案内状は、原則として「その年の指定日(秋頃が多い)に住民票がある自治体」から届きます。

住民票を大学周辺に移した場合、案内状は今住んでいる自治体から届きます。「地元の式典に出たいのに案内が来ない」と焦るケースですね。

ただ、多くの自治体では、事前に電話やWebで申し出れば、現在住民票がなくても以前住んでいた地元の成人式に参加できるよう対応してくれます。

逆に、住民票を実家に残したまま、大学周辺(今の居住地)の成人式に参加したい場合も、同様に事前の確認と手続きが必要です。

自治体によって申し込み期限や手続き方法が異なるため、参加したい自治体のホームページを早めに(夏〜秋頃には)確認しておくことをおすすめします。

実家のままでも実生活への影響が少ないケース

原則は移すことになっていますが、以下のような状況であれば、住民票が実家のままでも実生活における不都合は生じにくいというのが実情です。

  • 生活費の大半が親からの仕送りである
  • アルバイト収入が少額で、税務上の扶養内に収まっている
  • 健康保険は親の社会保険の扶養に入っている
  • 卒業後は実家に戻る可能性が高い

学生という身分上、経済的な基盤が実家にある状態であれば、税金や保険の手続きが親元で完結するため、住所変更をしていなくても手続き上で困る場面が少ないと考えられます。

住民票を移さない場合の注意点

一方で、住民票を移さない(実家のままにしておく)ことによる不便さもあります。

  • 選挙のたびに実家の自治体へ帰るか、不在者投票の手続きが必要になる
  • 居住地の自治体が実施する支援や給付金の対象外になる
  • 国民健康保険の加入や変更が必要になった場合、実家の自治体とやり取りする必要があり煩雑になる
  • 自治体からの重要なお知らせや郵便物が実家に届くため、タイムラグが発生する

制度自体が「住民票のある場所=生活の拠点」として設計されているため、居住実態とずれていると、いざという時の行政手続きに手間がかかる可能性があります。

判断基準の整理

これらを踏まえ、実務上は以下のような基準で検討するのが分かりやすいと思います。

4年間、その地でしっかり居住する予定がある場合

生活の拠点が完全に移るため、原則通り住民票を移す方が、各種手続きや郵便物の受け取りも含めて自然です。

短期間の居住、または実家との往復が多い場合

実習での短期滞在や、週末は頻繁に実家に帰るなど、生活の拠点がどちらとも言いにくい場合は、経済的な基盤(扶養や保険)の実態を踏まえて検討することになります。

もし自身のケースで判断に迷う場合は、引っ越し先の市区町村窓口で「学生で一人暮らしをするが、このような状況である」と直接確認してみるのが最も確実です。

マイナポータルでの転出手続きについて

住民票を移すことを決めた場合、以前は役所の窓口へ行く必要がありましたが、現在はマイナンバーカードがあれば「転出届」をマイナポータルからオンラインで提出できるようになっています。

引っ越し準備で忙しい時期でも、スマートフォンから手続きを進められるため実用的です。

具体的な手順については、以下の記事でまとめています。

→(内部リンク:マイナポータルでの転出手続き方法

まとめ

  • 原則は「生活の本拠地(居住地)」に住民票を置く
  • 住民税、健康保険、選挙、給付金、成人式の案内などは住民票の所在地が基準となる
  • 学生で扶養に入っているなど、実家のままでも実務上成立するケースはある
  • 制度の仕組みを理解した上で、自身の生活実態や4年間の見通しに合わせて判断する

「みんながこうしているから」ではなく、税金や保険、行政サービスとどう紐づいているかの仕組みを理解しておくと、自分にとってどちらが適切か判断しやすくなると思います。

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